本気で来い、と呟いてはみたものの。
やはり実際にこうなってみると後悔するのは当然だろう。
ああ神様。
―――いるんならさっさとコイツを消してくれ。
俺が好きなら本気で来い! 2
“ナルト親衛隊”―――・・・・・・
彼らは木の葉の裏のまた裏でひっそりと動く、精鋭中の精鋭である。
主力となるのは3人の上忍、頭となるのは一人の中忍。
そしてある人物を守る為だけに彼らの手足となる者達―――7人の下忍。
つーかそれ以外の目的で誰が団結なんてしてやるかって話だ。
無論、“ある人物”とは―――・・・・・・
「「「ナルト(君)・・・に・・・任務完了・・・・・・・・・!!!」」」
ビッ!と親指おっ立て一斉にハモる11人。
全員ボロボロでまさしく満身創痍と言ったところだが、
その目にはしっかりと金色が映っていた。
某熱血系師弟顔負けの暑苦しさと見苦しさがあるが、そこはそれ。
ナルトはそこまで鬼ではない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オツカレサン」
半眼でしかも棒読みで極め付けに立ち去りながら労わりのお言葉。
これでどこが鬼じゃないんだと誰もがツッコミたくなるが、
彼らにとってはこの言葉こそが全ての救いになるのだ。
皆一斉に顔を輝かせた後、バタリ・・・とその場に倒れ込んだ。
「「「ナルト(君)万歳・・・・・・」」」
―――と、言い残し。
折り重なってさらに暑苦しさを増した彼らに、金色の夕陽が降り注ぐ今日この頃。
+ + + +
(“アイツ”もアイツらも・・・飽きねぇよなぁ・・・・・・)
コツン と。
道端の小石を軽く蹴り飛ばし(仰角ぴったり45度・飛距離200m)、
ナルトは心の中で苦笑しながら歩いていた。(実際に笑っていたら危ない人だ)
(つーかいい加減ウゼェんだけどな・・・特に“アイツ”)
《・・・その割りに随分と楽しそうだぞ?》
(黙れクソ狐)
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・》
実にオリコウサンな狐がいたものだ。
まぁその辺は(結局居候は居候でしかない)いつものことなので無視して、
ナルトはいい加減ウザがっている“アイツ”の気配に閉口する。
前方の木の裏・・・距離にして約73.18m。
“約”という割りにやけに正確なのがナルトの凄いところだ。
(またかよ・・・・・・今日はもう6回目だぞ・・・・・・!?)
《―――奴はお前のことになると計り知れない力を発揮するからな》
その驚異的な体力と忍耐力に、半ば感心してしまう。
ナルトは深々と、それはもう深々と嘆息し、某中忍に渡された笛を吹いた―――・・・・・・
ピィィィィィィィィィィィィィィィィィ―――――――――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【イタチ襲来警報発令! イタチ襲来警報発令!】
【承認! 音の大きさより危険度ダブルSクラスと判断!】
【承知! これより救出に向かう! ナルトとの距離約70m!】
【了解! 我々上忍はこれより抹殺シークエンスに入る!】
【注意! 写輪眼Sをそれぞれナルトの前後に配備しろ!】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今の耳障りな騒音は、上からカカシ・シカマル・サスケ・アスマ・またシカマル・・・である。
ドタドタバタバタ。
そんな忍らしからぬ効果音が聞こえてきそうな勢いで、目の前にカカシが、背後にサスケが現れた。
他の下忍たちはその三人を囲むようにしてクナイや手裏剣を構え、
シカマルは高い木の上から拡声器で指令を出す。(機密も何もあったもんじゃない)
そして紅がシカマルの護衛に立ち(紅としては不本意だが頭を潰されるわけにはいかないのだ)、
アスマが特攻隊長として最前線へ。(実に小規模な前線があったものである)
そんな統制されきって無駄の無さ過ぎる動きを、ナルトは半眼で見つめていた。
「よくやる・・・・・・」
ぽりぽり。
アゴを掻くのが癖になりそう。
―――と、問題の“アイツ”がヌラリと糸を引きそうな粘着質オーラで姿を現した。
かわいそうに、鮫人間までもが首根っこ引っ掴まれて道連れだ。(半泣き?)
「・・・さぁナルト・・・・・・今日こそは共に来てもらうぞ・・・・・・・・・」
「ヤだ。絶対ヤだ。お前みたいに納豆的な人間俺知らねぇ」
「ナルト君・・・お願いですから来て下さいよ・・・・・・」
「・・・・・・結構同情しないこともないけど俺は我が身のほうが可愛い」
「うぅ・・・・・・もう嫌ですよこの人・・・・・・・・・ぐほっ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今、間違いなく鮫人間から何か白いものが抜けた。
その原因を作った本人は、鮫の腹にめり込んだ膝をそのままに、
「何を照れているんだナルト・・・? お前はもう出会ったときから俺のモノ!」
「勝手なことを―――・・・」
「黙らっしゃいこの変態納豆系根暗抜け忍!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今のはカカシだ。
何気にキャラが変わっている。
「ナルトは生まれた時から俺のモノ!!まつ毛の一本まで俺のモノ!!!」
「何だとカカシ!?ナルトは貴様のモノじゃない!協定を忘れたのか!?」
「協定だか何だか知らんが黙れ愚弟! 黙れなんちゃって写輪眼!!
ナルトは細胞内のミトコンドリアの一つ一つまで俺のモノ!これ決定!!」
「「「うっせぇ写輪眼S!!」」」(byその他全員)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
うんうん。いいツッコミだ、と。
ナルトはただ頷いている。
もう半眼で状況を見守ることには飽きてしまったらしく、
現在はどうやって彼らを吉○興業に売り込もうか考えている。
―――と、ようやく冷静さを取り戻したのか、イタチが“アレ”を出すつもりのようだ。
「万華鏡写輪眼―――・・・・・・クソッ! 燃料切れか!!!」
「「「・・・・・・燃料切れ?」」」
ぴくぴくぴくっ と。
皆の耳がデカくなったのは、気のせいではないだろう。(マ○ー審司ではない)
ていうか燃料て何ですかー・・・などという無粋なツッコミを入れるものは何処にもおらず、
ひょっとしたら月読に必要なのは化石燃料なのかもしれない、という可能性は放り出しておく。
兎にも角にも、チャクラ切れで一番厄介な術が使えないらしい。(6回目だから当然だ)
「フ・・・今日こそ観念しろ、変態納豆系根暗抜け忍・・・・・・!!!」
「フ・・・たとえ月読が使えずとも、貴方に負けるほど落ちてはいませんよカカシさん・・・・・・!!」
パチパチパチ。
2人の額から迸る電流で懐中電灯がつきそう。
いい加減面倒になったナルトは大きく大きく溜息をつき、
2人以外の人間がナルトからの殺気に引いていることを確認する。
(まだマトモな部類でよかった)
そしてゆっくりと印を結び、
「土遁 心中斬首の術!!!」(相手を土中に引きずり込む術だね☆)
!?
「何で俺まで!?」(byサスケ・既視感)
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残ったのは、ボコボコになった3つの生首と。
あまりの出来事に引きまくる9人と。
すっかり忘れられた鮫人間の抜け殻と。
生首にかけられた、
【僕達は化石燃料が好物の写輪眼Sです】
・・・という、謎の看板だけだった――――――・・・・・・・・・
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弁解の余地なし。
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