「ナルト〜〜vv 今から俺の家に来ない??」
「・・・・・・」

いつものツマラナイ任務終了後、いつものごとく誘われた。
残念ながら今日はカオルはいない。
彼女は今ごろ商店街で買物を楽しんでいるのだろう。

(俺を誘って何をするつもりなのか・・・・・・)

ハァ、とわざとらしく溜息。

「も〜カカシ先生ってばシツコイ! 任務の時いっつも言ってるじゃん!」
「だってナルトと一緒にいたいんだも〜ん」
「・・・・・・・・・ハァ」
「あ!何また溜息!? 最近酷いな〜ナルト」

(・・・・・・コイツは本気で俺が好きなんだよな・・・同時に憎んでいるけど)

少し憐れだと思う。
この男にとってナルトの父・四代目火影は最も大切な人間だったのだろう。
ナルトのことを九尾と重ねてしまうのも無理は無いのかもしれない。

「―――わかったってばよ。俺先生ン家行く!」
「え!ホント!? じゃぁ行こうvv」
「うん!」

ニッコリと。
完璧な仮面はそのままに、具現化はさせずに煉を追い出した。

《ナルト・・・!!》
(じゃぁちょっと行ってくるよ)
《待たぬか!! ナルト!!》

煉が必死に叫んで止めようとするが無視。
カカシにチャクラの変化を気づかれる前に、密かに術を使い本宅へ帰した。

(少し・・・カカシのことを知ってみるのもいいかもしれない)


+  +  +  +


(チョロいもんだよね〜ホント。 今までのがウソみたい)

最近、ナルトの様子がおかしかった。
明らかにそわそわし、ボンヤリと考え込んでいることが多い。
カオルが言っていた「隙」とはこのことなのだろう。
始めは警戒したが、だんだんその必要はないと思うようになった。

(さて、あとはどうモノにするか・・・・・・)

「ねぇナルト、おいしい??」
「うん! センセー意外と料理上手だってばよ!!」
「「意外」は余計だよ、ナルト・・・」
「へへ・・・・・・」

この子供は可愛いと思う。
容姿だけではなく、その言動も、真っ直ぐな性格も、
どれだけ里人に虐げられようとも里を愛していることも。

(ホント、吐き気がするくらい可愛いよ・・・・・・)

カカシは立ち上がり、ナルトの背後へと回り込む。
そしてゆっくりと、本当にゆっくりと華奢な体を抱きこんだ。

「カ、カカシセンセー!? 離してってば!!」
「ヤだ。離さないよ」
「セ、センセー・・・!?」

細い肢体。力をいれれば折れそうなほどに。
実際に折って、殺してしまいたいという衝動に駆られる。
それを理性で押しとどめ、できるかぎり優しい口調で言葉を紡ぐ。

「ナルト・・・俺、本気でナルトが好きなんだよ」
「先生・・・・・・」
「ナルトは良く頑張ってる。決して泣いたりしない。
 でもね、泣きたい時は泣けばいいんだよ、ナルト」
「何で・・・そんなこと言うんだってば?」
「最近ナルトの様子が変だったから。ナルト・・・寂しいのなら、俺が癒してあげるよ」
「・・・・・・・・・」

ナルトの声が少し高くなる。
体も小刻みに震え、今にも泣き出しそうだ。

(こういう台詞にこの子は弱い・・・・・・あともう一押しか)

「ナルト・・・先生のこと嫌い?」
「・・・嫌いじゃ・・・ないってば・・・」
「じゃ、好き?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ウン」
「ナルト・・・」

ナルトの顔を横に向かせて口付ける。
最初は浅く、優しく。
快感と吐き気を同時に覚えるその行為は、だんだん深いものになっていく。

「ナルト・・・愛してるよ」
「俺も・・・愛してるってば」

抵抗を止めた子供を抱え上げ、ベッドへ運ぶ。
青く光るその瞳は濡れていて、妙に艶かしかった。

(・・・やっと手に入れた・・・・・・!)

カカシは嘲笑う。
子供の思惑など知りもせず。


+  +  +  +


(―――気持ち悪い)

その行為は、思っていたよりも辛くはなかった。
だが気持ち悪いことに変わりはない。
いっそ快楽だけに溺れてしまえばいいと思ったが、
自分の強靭な意志がそうさせてはくれない。

(煉・・・怒ってるだろうな)

吐き気と眠気が波のようにやってくる。
このまま緩慢な死を迎えるのではないかと、半ば期待しそうになる。

(こいつは・・・イタチの代わりなんだ)

イタチは幼い自分を抱くことはしなかった。
当然と言えば当然だが、カカシとやってしまったことに少し罪悪感を覚える。
色の仕事もしたことがあるので、初めてではないのが救いか。

(イタチが来るまでの代わり・・・この喪失感を埋めるための・・・・・・)

横に寝ている男をそっと見やる。
きっと起きているだろうから、演技をすることを忘れない。

(それなのに・・・やっぱり心が埋まらない・・・俺は弱くなった)

ナルトは静かに身を起こし、軽く身支度を整えてトイレへ向かった。

「げほっ・・・ぅえ・・・・・・」

胃の中にあったものを全て吐き出す。
食道が傷つき、少し血が混じった。

(いっそ感情も吐き出してしまえればいいのにな・・・・・・)

と、カカシが起きる気配がした。

「―――ナールト。おはよう、大丈夫?」
「カカシ先生・・・おはようってば。・・・ゴメンナサイ」
「初めてだったんでショ? まぁ、仕方ないよ」
「ウン・・・」

カカシが優しく背中をさする。
普段なら嫌悪感でいっぱいになるが、何故か今はすんなりと受け入れられる。

(・・・・・・早く帰ろう・・・眠い・・・)

「俺、そろそろ帰るってば」
「そう? 送るよ」
「いいよ。センセー今日も任務でしょ? ・・・・・・じゃぁね」
「あ、ナルト・・・!」
「何?」

立ち止まって、振り返る。
今の自分が「ドベのナルト」に見えるよう祈りつつ。

「・・・・・・また、来なよ?」
「―――モチロンだってばよ!」
「・・・・・・・・・」

カカシが一瞬妙な顔をしたが、とりあえず無視。


+  +  +  +


―――バタン。
少し音をたてて扉が閉まる。既視感。

「・・・・・・・・・くっ・・・くくっ・・・はは、ははははははっ!!!」

笑う。嘲笑う。狂ったように。

(手に入れた・・・こんなにも容易く!!)

どうやって愛してやろう。
どうやって堕としてやろう。

(俺は幸せ者だな・・・・・・アンタの思い通りにはさせないよ、カオルさん?)

「ふっ・・・・・・くっく・・・はははは・・・・・・は・・・」

殺風景な部屋に狂ったような笑い声だけが響く。

手に入れた。
それなのに。


こんなにも満ち足りない思いがするのは何故だろう?


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あ〜〜〜〜なんか暗っ!!(汗)
でも個人的に好きなこの話。基本的にダークが好きなんですね。
カカシさん、かなりヤバめの精神状態です。
四代目を思うあまり、彼に似たナルトを憎んでしまう・・・・・・。
ナルトは今カカシのことを「イタチの代わり」と思っていますが、
「思い込んでいる」というのが正しい。この先どうなることやら。
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