風の匂いが変わってきた。木の葉が近い証拠だ。
夕闇が世界を支配し、男の瞳をより一層赤く染めている。
木の葉と聞いて思い出すのはあの子供。
綺麗な綺麗な金色の子供。
「もう12になるのか・・・」
「はい? どうかしましたかイタチさん?」
「―――いや。なんでもない」
「・・・・・・」
思わず声に出した言葉。
優秀な忍である鬼鮫が聞き逃すはずもなく。
甘い回想を邪魔され、少し機嫌が悪くなる。
(ナルト・・・もうすぐだ、もうすぐ会える)
走る。ひたすらに。あの子の為に。
神であろうと、邪魔をするなら殺してみせる。
+ + + +
(イタチ・・・お前はいつ来てくれるんだ・・・?)
彼と別れてから随分と時間が経った。
ナルトを殺そうとした一族に絶望し、弟以外を皆殺しにしたイタチ。
「ナルトの居場所をつくる」と、「一緒に行こう」と言ってくれたイタチ。
どれほど一緒に行きたかっただろう。生きたかっただろう。
だが当時の自分はまだ弱かった。
だから、涙をのむ思いで辞退したのだ。
(でも今なら・・・足手まといにはならない)
彼のことは、三代目しか知らない。
今ではかなり信頼しているカオルにすら話していない。
必要がなったからだが、話したくないのも事実だ。
(俺達は互いが互いを必要としてる・・・そうだろ、イタチ?)
それは確信なんて一方的なモノじゃない。
それは、事実。
+ + + +
「ナルト君・・・私カカシさんとセックスしちゃった」
「あっそう」
「ええ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「はぁっ!?」
クナイを砥ぐ手を滑らせ、怪我をしたのは自分のせいではない・・・はず。
今度は何を言い出すかと思えば・・・・・・
「せ・・・せっくすぅ!? おまっ、恋人いるんじゃなかったのか・・・!?」
「微妙ね。精神的にいないと駄目だけど物理的には別にイラナイっていうか。
場合によって逆もありのホント微妙な関係なのよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・展開早くねぇ?」
「こういうのは先手必勝よ。女狐に騙されるカカシさん・・・・・・ちょっと見たくない?」
「見たい。スッゲー見たい」
即答。迷わず即答。
「でしょう?・・・・・・それに時間を稼がないといけないのよ・・・」
「―――時間?」
「そう、時間! アナタの恋人に誰が相応しいかどうか・・・本命を見つけるための時間が!」
「ド阿呆。勝手にやってろ」
結局ソレか。
この女にとってはどういう展開になれば自分が楽しめるか、が最優先なのだ。
そのせいで迷惑をこうむるのはナルトだというのに。
(何とかならねーかな・・・この面倒な快楽主義者)
溜息もつきたくなる。そのうちハゲそう。
(つーか時間稼ぎとカオルがカカシと付き合うことにどういう関係があるんだ?)
ナルトは気づいていない。
カオルしか知らない、はたけカカシの恐ろしさに。
+ + + +
「・・・・・・面白くなってきた・・・かな?」
あてがわれた自室のベッドの上で呟く。
あの男・はたけカカシは馬鹿そうに見えて侮れない。
実際昨日はかなり苦労したのだ。
「カオルはカカシに惚れた」ということを信じ込ませるために。
(あの人が本気になれば・・・ナルト君をモノにするくらいは簡単かもしれない)
それは防がなければならない事態。
(―――いや、そんなことは私がさせない・・・・・・あの人はナルト君に相応しくない)
何とも勝手な意見だが、そんなことは全く気にもかけず。
(だけど・・・何か一つ、彼の精神を大きく揺るがすようなことがあったら?)
今のところそんなものは有りそうに無い。だが予感がする。
(近いうちにきっと何かが起きる・・・・・・その時につけこまれたらどうする?)
誰よりも強いようで、ある一点がとても弱いあの子供はきっと落ちてしまう。
(・・・・・・まぁ、それもまた一興―――お手並み拝見ね、カカシさん?)
カオルは人間離れした妖艶な笑みを浮かべる。
例えナルトがカカシの手に落ちたとしても、取り戻す自信はある。
何よりそうなった場合、「壊れてゆくナルト」を見ることができるだろう。確実に。
共に暮らすうちに彼のことを弟のように可愛がるようになったカオルだが、
未だそういう願望があることは否定できない。
少しだけ、カカシに手を貸すのも悪くは無いかもしれない。
あとはその為の材料を探すだけだ。
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や〜っとイタチさんが出せたっ!!!(遅)
やっぱり本命はイタチさんなんですハイ。そりゃもう。
ていうかカオル姉さん「セックス」て・・・直接的・・・///
やっぱりこの人危険でしょうか??
背景は「外界」のイメージで・・・・・・
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